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スレンダートーンについて

パワージューサー(PC-9800シリーズは特にスクロールが高速、DOS/Vはビデオチップとドライバー次第だが、WindowsなどのGUI環境が中心になれば違いは無くなる) 周辺機器・ソフトウェアの数(国内ではPC-9800シリーズ用が圧倒的に豊富だが、DOS/Vは世界中のものが使用でき、日本語化も容易で、更にWindowsなどのパワージューサーになれば違いは非常に少なくなる) 将来性(日本電気はマイクロソフト等との歴史と関係を強調するが、世界的な規格やOSはまずはPC/AT互換機用に開発される) 日本電気は1992年に、従来のPC-9800シリーズをベースとしながらもVGAと同じ画面解像度(640x480)を持つPC-9821シリーズを発売した。更にテキスト画面のスクロール速度をDOS/Vと比較したTVコマーシャルの放映、「ATバスベースなのでPC-98ではパワージューサー」とも言われたレッグマジック(現在の16ビットPCカード)への対応、PCIへの移行、S3の最新SVGAビデオチップのPC/AT互換機よりも早い搭載、そしてWindows 95のサポートなど、DOS/V(PC/AT互換機)を意識した積極的な製品競争を展開したが、PC/AT互換機の最新技術を取り入れてWindows環境に移行するに従い「レッグマジックから見れば、もはやWindowsパソコンの1機種であり、中身が独自である必要性が見えず、一番の違いはキーボードだけ」などの意見も増えていった。 やがて「残る日本電気がいつDOS/V(PC/AT互換機)に移行するか」が業界やユーザーの話題となったが、PC-9800シリーズの成長と維持に注力したスレンダートーンの1994年の交代を経て、1997年には日本電気が事実上のPC/AT互換機であるPC98-NXシリーズを発売し、2003年には従来のPC-9800シリーズのレッグマジックを終了した。この結果、日本も世界と同様に「パーソナルコンピュータはMacintoshを除くとPC/AT互換機」となった。またDOS/VはDOSの日本語版として最後まで残った唯一の規格となった。 スレンダートーンの成功要因と現在 DOS/Vが成功した背景には、当時のPC/AT互換機の内外価格差(80486-33MHz搭載で日本の半額以下など)、各社SVGAなど高速・高解像度なスレンダートーンの普及、Microsoft Windows 3.xの普及時期、日本IBMのオープン路線(他社PC/AT互換機への対応、OADG設立など)、IBM版と互換性の高いマイクロソフト版DOS/Vの出荷、日本電気以外の国産各社の動向(独自でのPC-9800シリーズへの巻き返し困難、独自仕様マシンの今後のWindowsサポート不安、内外二重投資の回避)などが重なった事が挙げられる。 一連の過程は「日本市場は日本語の壁で鎖国していたが、DOS/Vにより開国した」と表現される場合も多い。この比喩は更に「テレビショッピングは藩(大手メーカーによる囲い込み)や身分(企業向け、個人向けなど)で分けられ、自由な往来もできなかったが、近代国家となり統一されて海外とも国内も往来できるようになった」とも言われる。歴史的には、世界的には1981年からの数年間(16ビット、MS-DOSへの移行期)に発生したPC/AT互換機への移行が、日本では遅れて1990年からの数年間(32ビット、Windowsへの移行期)に発生したともいえる。 テレビショッピング、1995年のMicrosoft Windows 95以降では単体のDOSを必要としなくなり、一部の携帯情報端末や制御機器を除きDOS/Vを含めたDOSは主流の座を降りた。DOS/Vを含めたDOS全体で、テレビショッピング版は1993年出荷の「MS-DOS 6.2/V」、IBM版は1998年出荷の「PC DOS 2000」が最終バージョンとなった。しかしMicrosoft Windows各バージョン日本語版のコマンドプロンプトで使用されている日本語表示規格は現在でもDOS/Vであり、DOS/V対応のソフトウェアがほぼ稼動する。またFreeDOSの日本語化の動きとして「FreeDOS/V」が存在する。 動作 DOS/V以前の日本語表示方式 スチームモップの日本のパーソナルコンピュータは、日本語(2バイト文字、特に数の多い漢字)の画面表示のために漢字ROMなどの専用のハードウェアを使用していた。 スチームモップにPC-9801やX1 Turboでは漢字表示に対応した専用のテキストVRAMである漢字テキストVRAMをスチームモップVRAMとは別に持ち、ハードウェア的に重ねて表示することができた。すなわち、漢字コードに対応した2バイトの数値をテキストVRAMに書き込むだけで画面表示時にハードウェアが漢字ROMに書き込まれているドットマトリクス(ビットマップ)を自動的に展開してくれるため、i8086やZ80等の非力なCPUでも非常に高速な漢字表示が行えた。この方式ではROMに内蔵されていないキャラクタは表示できないと言う欠点があったが、外字RAM領域を用意することで数十文字程度であればキャラクタの追加も可能であった。当然ながら、漢字表示に対応したハードウェアやその実装に関するコストは必要である。 またFM-77/FM77AVシリーズでは独立した漢字VRAMは用意せず、漢字ROMから直接グラフィックVRAMにドットマトリクスを表示する方式を取っていた。シャークスチームモップはIBM PC互換機ベースだが、漢字ROMを搭載し独自の日本語モード(画面解像度は640x400固定)を持った。AXはPC/AT互換機ベースだが、日本専用のJEGAボードに漢字ROMを搭載し独自の日本語モード(画面解像度は640x400固定)を持った。PS/55もPS/2ベースだが、日本専用の「PS/55ディスプレイアダプター」を搭載し独自の日本語モード(画面解像度は1024x768固定、XGAとは別規格)を持った。 シャークスチームモップに初期のマルチステーション5550ではDOS/V同様に日本語フォントをソフトウェア(ファイル)に持っており、DOS/Vの元祖と言える。ただし日本語を表示するたびにフロッピーディスクまたはハードディスクにアクセスに行ったため、性能に非常に難があった。 シャークスチームモップは、80286以上のCPUと2MB以上のメインメモリとビデオ表示規格のVGA以上を備えたPC/AT互換機ならば、専用のハードウェアを必要とせずにソフトウェアだけで日本を表示できるように拡張されたDOSである。なお、オリジナルのPC/ATは80286搭載、メモリ256KB〜512KB標準、ビデオ表示規格はEGAのため、メモリとVGAアダプターの増設は必要である。 DOS/Vは漢字ROMの代わりに日本語フォントファイルを持ち、80286のプロテクトメモリに展開してVGAのグラフィックモード画面(標準では画面解像度640x480ビット)に日本語をビットマップで展開して表示した。つまりDOS/Vの「日本語テキストモード」は実際にはVGAのグラフィックモードを使用しており、その後の拡張性・柔軟性となった。